【裏千家】茶道の最大人口になった理由

皆さん、こんにちは!

今回は引き続き、「裏千家」についてご説明します。一番茶道人口が多い流派なので、これから茶道を習おうと考えてる方の参考になれば嬉しいです。

 

目次

裏千家の成り立ち

 

 

「裏千家」は四男: 仙叟宗室(せんそうそうしつ)が創設し、宗家が京都市上京区にあり表千家と隣接しているから「裏千家」と言います。

裏千家の象徴でもある茶室は『今日庵』(こんにちあん)と呼び、学校の茶道クラブ等で一番多くある流派なので、三千家の中で門下生は最大規模と言われています。

では、その成り立ちについて詳しく見ていきましょう。

仙叟宗室は慶安5年(1652年)に加賀前田家の当時すでに隠居であった前田利常に仕官し、百五十石と小松城三の丸の屋敷を与えられました。

万治元年(1658年)に前田利常と元伯宗旦が相次いで没すると、裏千家の4代を継承し、寛文11年(1671年)に前田綱紀に茶頭として仕官して百五十石と金沢城下の味噌蔵町の屋敷を与えられて、以後、元禄元年(1688年)までは金沢と京都とを往復しながら精力的に活動し、元禄10年(1697年)に亡くなりました。

仙叟宗室の没後すぐに5代常叟宗室が加賀藩に仕官しましたが、ほどなく辞して伊予松山藩久松家に仕官します。

以降、幕末に至るまで久松家に仕官しながら前田家とも交流を続けることになります。その後8代一燈宗室のときに徳島藩蜂須賀家にも出向いているのです。

8代又玄斎一燈は兄の表千家7代如心斎と共に千家の中興とされており、彼らは茶の湯が大衆化していく中で、新たな稽古の方法として七事式を制定するなどして千家の茶道を広めることに成功しました。

今日、「三千家」が茶道の代表格として語られるのは、流祖である千利休が高名であるだけでなく、この時期に広く各地の町人富裕層に普及したことも大きな要因となっているのです。

 

裏千家が主流になった訳は?

 

 

「三千家」それぞれ流儀に特徴があるのですが、裏千家の流儀の特徴は、11代の玄々斎以降で見られる『積極性』です。

玄々斎は茶箱点(茶箱を使って行う点茶)、立礼式(椅子に座って行う茶道)、盆略点など、新しい点前を作ることに対しても積極的で、利休の侘びを基本とする三千家の中でも方向性が華やかで、棚の種類の多さ、茶箱の色紙点など、彩りが豊かなものが好まれて作られました。

11代玄々斎は、とても積極的で明朗な人物だったのです。
※立礼式(椅子に座って行う茶道)は、1872年の博覧会にあわせ外国人を迎えるために正座ではなく、椅子に座って行う茶道を考案しました。

明治になると12代目の放蕩が原因で破産してしまいますが、13三代目の円能斎鉄中によって復興されました。

明治23年から6年間に渡って協力者を求めて東京に移り住み、京都に戻ってからも一般に茶道を普及させるために教本を出版したり、機関紙 「今日庵月報」を発行して尽力しました。

そして女学校の教育にも茶道を取り入れてもらったり、教授方針を一致させるための講習会を開いたりと、裏千家の組織化にも精力を注ぎました。

戦後になって14代淡々斎碩叟が茶道の学校教育への導入を働きかけた結果、学校のクラブ活動で教えられる茶道の大半は裏千家となっています。

また淡々斎は各地の寺院・神社にて献茶・供茶を行ったり、海外への普及に取り組んだりと、茶道振興に対する功績が非常に大きいのです。

全国統一の同門組織として「社団法人茶道裏千家淡交会」を結成し、また家元を財団法人化するなど、裏千家茶道の組織化も引き続き行われるようになり、こうして「裏千家」は流派別の茶道人口としては最大規模を誇るようになったのです。

 

裏千家と表千家の違いは?

 

 

前回の記事と読み比べると、「表千家」と「裏千家」の違いが分かりにくくなっているのではないでしょうか?

お点前や道具はそれぞれに違いますし、さらには「武者小路千家」とも違いがあります。

また別の機会で詳しくご紹介したいと思いますので、ここでは簡単に「表千家」と「裏千家」の違いに触れておきます。

まず一番の大きな違いは、お茶の点て方でしょう。

裏千家のお茶の点て方は、泡がとても細かくなっています。泡が細かいと、口当たりがとてもクリーミーで、抹茶カフェなどでよく見られる点て方です。

対して、表千家のお茶の点て方は、泡があまり立たないように点てます。こちらは、抹茶本来の味を楽しめる点て方だと思います。

※ 武者小路千家も表千家の点て方と同じで、泡をほとんど点てません。

どちらも、人それぞれ好みがあると思いますので、どちらのお茶を飲みたいかで、習う流派を決めるのもいいですね☆

 

まとめ

 

今回は「裏千家」についてお話しました。

恐らく、これから茶道を始める方は、「裏千家」から入られる方が多いと思いますが、「裏千家」が普及した理由、茶道人口が多い理由がお分かり頂けたかと思います。

裏千家は海外にも支部を持っていますので、海外に転勤になった時でもお稽古を続ける事が出来るというメリットもあります。

習う流派を選ぶときには、どんなお茶を点てたいか、どの作法を学びたいかなどご自分の目的に合わせて選んでくださいね。

 

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