皆さん、こんにちは!
今回は引き続き茶道具について、ご説明していきます。
今回、ご紹介する道具の一部は見たことない物もあるかと思いますので、一つずつ解説していきますね。
棗(なつめ)
「なつめ」と読みます。薄茶を入れる容器で、植物の棗の実に形が似ているので、「棗」と呼ばれるようになりました。
茶器の形は棗のほかにも色々あり、それぞれに持ち方が決められています。
最も多く使われているのが利休棗で、甲がやや盛り上がっていて、底にいくにしたがって緩やかにしぼった形をしています。
茶入れ
濃茶を入れるための陶製の容器です。本来、象牙製の蓋をして使います。
元々は薬味や香料などを入れて使っていた容器でしたが、貴重品だったお茶を入れるのに転用したと考えられています。
茶入れにも「格」があって、日本製のものよりも唐物と呼ばれる外国製の物の方が、格が上になります。
茶道教室に通っていても、稽古が進んだ人でなければ唐物の茶入れは使用することができません。
私自身も、唐物のお点前は一年に数回しかやった事がありません。
形も棗同様、様々なものがあります。
また、茶入れを入れている袋を「お仕覆」(おしふく)と呼びます。
濃茶のお点前をする時には、最後に必ず「お茶杓」「棗」「お仕覆」を拝見に出します。
そして、お仕覆の結び方これは適当に結んでいるわけではありません。
結び方にも、きちんと決まりがあるのです。
袱紗(ふくさ)
約29cm四方の絹でできた2枚重ねの布です。
お点前をする人は腰に挟みます。ふくさの色は流派によって違います。
※色の違いは「流派で違う作法についての解説!」の記事を参考にしてみて下さい。
※「古袱紗」(こぶくさ)というのもあります。これは茶碗を拝見したり、用途は様々です。
特に流派は関係無いので、自分の好きな柄・色を選ぶ事が出来ます。(私は薄ピンクに桜柄の物を使っています。)
懐紙
懐紙は懐に入れて携帯する小ぶりの和紙です。
茶事や茶会で出されるお菓子を取り分ける際、皿代わりに使います。
また薄茶では飲み終わったあと、茶碗の飲み口を指で拭って拭き、懐紙で指を清めます。
濃茶の場合は、懐紙で飲み口を拭き取ります。
お菓子を食べきれない場合は、懐紙に包んで懐にしまうので、色んな使い方が出来ます。
この懐紙も柄物や色付きの物がありますので、私は季節に合わせて使っています。
例えば、春なら桜模様、夏なら金魚、秋は紅葉、冬は椿といった感じです。
懐紙に特に決まりはありませんので、お稽古の時にはご自分の好きな柄・色の物を使うのもいいと思います。
その方が、気分も上がってより一層稽古に集中出来ています。私の場合は(笑)
ですが、お茶会に行く際には、必ず無地の物を使って下さいね。
決して駄目というわけではないと思うのですが、無地の懐紙を使う方が一般的です。
黒文字
爪楊枝の一種で、お菓子を切ったり、口に運ぶときに使います。
樹皮がついている核型で大振りなものが多いです。先端がヘラのようになっているものもあります。
扇子
ん?どうして茶道で扇子??と思われるかもしれませんね。
茶道具としての扇子は15cmほどの小さな物で、お辞儀をする時や、床の間を拝見する時、膝の前に置いて使います。
広げて使うことはほとんどありません。
茶道に限らず、本来お辞儀をするときは扇子を前に置くのが正式ですが、現在では省略されていますので、ご存知ない人も多いでしょう。
女性用と男性用があり、男性用の方がやや大きめになっています。
水指(みずさし)
水指はお点前の際に釜に水を足したり、茶碗や茶筅を水ですすぐために、水を入れておく水器のことです。
多くは陶器製ですが、木地の物もあります。木地の物は乾燥した状態でいきなり水を入れると、外に水が染み出してきますので注意が必要です。
建水(けんすい)
建水は茶筅で茶碗をすすいだ水を捨てる容器のことを言います。
目立たない存在ですが、点前の際には必需品の茶道具です。
まとめ
2回に渡って茶道具についてご説明してきましたが、見た事ある物もあれば初めて聞く物もあったかと思います。
お点前や流派によって使う道具も多少変わってきますので、絶対に外せない主要な道具だけ紹介しました。
やはりお点前の数だけ道具もあると思います。すべてを一度に覚えるのは無理なので、まずは基本的な道具だけ覚えてみてください。
お稽古が進んで上にいけば行くほど、使う道具も高価な物になってきますので、それをモチベーションにして励むのもいいと思います。
実際に私はそうです。
「このお点前をしたいのですが、いいですか」と先生に聞きます。すると先生は私がそのレベルに達していればさせてくれますし、そうでなければ「今日はこのお点前をもう一度」と言う場合もあります。
どんな習い事でもそうですが、モチベーションがあった方が続きやすいですし、「頑張ろう!」という気持ちにもさせてくれます。
だからといって、無理はしてほしくないので、皆さんのペースで進んでいって下さいね。
茶道はまだまだ奥深い日本文化なので、少しでも興味を持って頂けたら嬉しいです。
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