「おもてなし」の本当の意味を知っていますか?

皆さん、こんにちは!

今回は最近よく使われる「おもてなし」の言葉の意味について、お話していきます。

「おもてなし」という言葉に関心が集まり、知っている人は多くなっていると思いますが、言葉の本当の意味を知っている人はどれくらいいるのでしょうか?

単純にいいサービスをするのではなく、そこに心がこもっていないと、「おもてなし」とは言えません。

では、「心がこもったおもてなし」とは、どのような事を指すのか、考えてみましょう。

 

目次

「おもてなし」の語源は?

そもそも、「おもてなし」の意味は皆さん、ご存知でしょうか?

広辞苑によると、おもてなしの語源は、とりなし、つくろい、たしなみ、ふるまい、挙動、態度、待遇 馳走、饗応とあります。

平安、室町時代に発祥した茶の湯から始まったと言われ、客や大切な人への気遣いや心配りをする心が築かれた世界に誇れる日本の文化といえます。

「おもてなし」という言葉の語源は2つあります。

ひとつは、「表裏がない」で、もうひとつは「モノを持って成し遂げる」 です。

「表裏がない」はそのままの意味で、表裏の無い心でお客様をお迎えする事です。
※「おもてなし」は、「もてなし」に丁寧語「お」を付けた言葉です。

 

2つ目の意味の「モノを持って成し遂げる」

この言葉は、「客をもてなす」といったときに使われる動詞「もてなす」の丁寧語から来ています。

おもてなしの元となる言葉「もてなす」の語源は、「モノを持って成し遂げる」からきており、お客様に応対する扱い・待遇のことを言います。

そしてここで言うモノは、物だけじゃなくて、気持ちも含まれます。

 

つまり、「おもてなし」の語源は、

① 「表裏なし」:表裏のない心でお客様をお迎えする

② 「もてなす」の丁寧語:お客様に対する扱い・待遇 という意味になります。

 

 

サービスやマナー、ホスピタリティとの違い

よく「おもてなし」の対になる言葉でサービスやマナー、ホスピタリティが挙げられますが、その言葉の性質はまったく違います。

では、一つずつ見てきましょう。

まずは、「マナー」です。

英語でmanners、行儀作法という意味です。

「相手に不快感を与えないための最低限のルール 」という意味があります。

 

次に「サービス」です。

「マナー」の対になる言葉が、これに当たると思います。

「サービス」は英語でservice、「仕える・奉仕する」という意味です。

語源はラテン語 servitus (セルヴィタス)で、意味は「奴隷」です。

サービスは「奴隷」の語源の通り、サービスを受ける側、お客様が主であり、お客様に接客しサービスを提供する側が従となります。

このように、サービスには主従関係が明確にされ、サービスに対しては対価が発生します。

 

最後に「ホスピタリティ」です。

ホスピタリティは、よく外資系ホテルなどで使われる事が多いですが(私も外資系ホテルに勤めていた事がありますが、本当によくこの言葉は耳にしました)

笑顔でお客様に接し、お客様を楽しませて居心地のいい空間を作る事を指します。

どちらかと言うと、少しフレンドリーに接してお客様を楽しませる。といった感じです。

その語源は、ラテン語のHospics(客人等の保護)で、Hospicsが変化したHospitalityは「歓待」を意味し、それが英語のHospital(病院)、Hotel(ホテル)、Hospice(ホスピス)などの言葉に変化したと言われています。(参考:株式会社 おもてなし道)

 

これらに対して、「おもてなし」の最大の魅力は、「もてなす人の心」です。

「おもてなし」には、必ずと言っていいほど「人の心」が入ります。

一見、「ホスピタリティ」と変わりないように見えますが、「ありがとうございます」や「お疲れ様です」などの、相手を思いやる言葉が入ると、「おもてなし」になります。

「相手の事を思って、行動する」

とても繊細な日本独特のサービスだと思います。

また「相手を察する・思いやる」という事は、簡単そうにみえて、とても奥が深くまた終わりがありません。

 

私自身お稽古をする際にも、ただお点前の動作を覚えるだけでなく、お客様役の人に合わせたお茶の濃さ、お茶を出すタイミングを見計らったりと、様々な所に目を配らせ、その時、自分に出来る最高のおもてなしをする練習しています。

これらの事の見逃さず察する事が出来るかどうかが、「おもてなし」の真の姿だと思います。

 

 

まとめ

 

今回は「おもてなし」の意味について、お話してきました。

サービスやホスピタリティなど似た言葉はありますが、その意味・性質が違う事はご理解頂けましたか?

「おもてなし」とは、相手によって変化しますし、その時の環境によっても様々なケースが考えられるので、常に最善を尽くし、終わりが無い事を覚えておかなければなりません。

また必ずと言っていいほど、そこには「相手を思いやる心」が入ります。

そして、どんな時でも臨機応変に対応する必要があります。

これを理解していないと、表面だけが繕われた薄っぺらい単調な「おもてなし」になってしまいます。

私達、日本人の心の中に昔から根付いている「おもてなしの心」。

その真の姿を理解し、2020年のオリンピックの際にも、ぜひ多くの外国人観光客にも、日本独特の「おもてなし」をしたいものです。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (11件)

    • Shinji Takeshita様

      こんにちは。

      数あるサイトの中、当サイトをご覧頂きありがとうございます。

      今後共、よろしくお願い致します。

      管理人 抹茶子

    • こんにちは。
      数あるサイトから、私のサイトをご覧いただき、ありがとうございます。
      また、引用して下さるとのお言葉、大変嬉しく思います。

      これからも、直江様に参考にして頂ける記事を執筆して参ります。

      どうぞよろしくお願い致します。

      抹茶子

    • はじめまして。
      数あるサイトから、私のサイトをご覧いただき、ありがとうございます。
      また、引用して下さるとのお言葉、大変嬉しく思います。

      今後も緑茶様に見て頂けるような、記事を執筆して参ります。

      どうぞよろしくお願い致します。

      抹茶子

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